このコーナーは、不登校なんでも質問箱に寄せられた、ご質問への回答です。
いただいたご質問の内容のみで回答をしているため、あいまいだったり明確な回答ができない場合もありますが、どなたかの参考になれば幸いです。

ご質問:小学2年生の付き添い登校について

いただいたご質問

小学2年生付添い登校です。昨年度一月から不登校になり、3月から給食と週一回の通級で親付添いの別室登校をしています。毎日は疲れてしまう様子で週に3、4回など行ける時に行っています。

まだ始まったばかりですが、親の私が気持ちが折れそうです。
先生にも忙しい中お手数をかけて申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいます。学校に入ると元気の良い同じクラスの子らを見て、なぜうちの子だけ…など、色々考えが巡ってしまい、余計に苦しくなってしまいます。

このまま付添い登校を続けるべきでしょうか。本心は付き添ってあげたい気持ちの方が大きいですが、だんだんと自分の苦しさが大きくなって行きます。

お答え:目標を具体的に細かく見積もっていく

ご質問ありがとうございます。
小学2年生のお子さんの付き添い登校に関するご相談ですね。週3~4回、付き添い登校をするのはとても大変だと思います。また、他の人の目や他の子との比較などをしてしまうのは苦しいですよね。ご苦労、お察しいたします。

フェードアウトしていく計画を立てる

付き添い登校の解消に向けての対応は、段階的に進めていくのが基本です。

例えば、以下のような段階を考えてみましょう。

付き添い登校の克服へのステップ(例)

付き添った保護者がどこにいるか、以下のようにお子さんの反応を確認しつつ、徐々に距離を置いていくことが大事です。

  • お子さんのすぐそば お子さんの視線の入らない後ろに位置する
  • 教室の中が見える廊下
  • 廊下で少し離れたところ
  • 廊下で更に離れたところ
  • 空き教室など別の教室
  • 途中の1時間学校を離れる
  • 学校を離れる時間を増やしていく
  • 朝学校に送り、帰りに迎えに行く
  • 朝送るだけで、帰りは迎えに行かない
  • 朝も玄関で見送る

このような段階を、数週間ずつで考えていきます。

状況に応じて、連携しながら計画をすすめよう

今の教室の場所や座席の位置、お子さんの状況、クラスの様子、担任の先生の理解などを踏まえて、具体的に計画をしていきます。その中で、「今週はこれができた」「来週はこれをやってみよう」と保護者さんが目標をもって、担任の先生やスクールカウンセラーなどと共有していくといいですね。

また、ご相談を頂いたのは5月下旬。私が回答をしたのが6月初めです。そのため、今から段階を踏んで順調に進んでいっても夏休みに入ってしまいます。夏休み明けはまた振出しに戻るパターンと、急に進むパターンがあります。

私がスクールカウンセラーで相談を受けていたら、「夏休みまでの1か月半でいろいろ試してみましょう!」と提案すると思います。良くも悪くも夏休みでリセットができるため、夏休みまでにいろいろなことを試して「この方法はうまくいく」「この作戦は合わない」などの知見が増えていきます。その知見を活かして夏休み明けが勝負です。

お子さん自身にも、親御さんにも、そして担任をはじめとした教職員にも「あぁ、こんな風にステップアップしていけばいいな」というイメージがつくといいですね。応援しております。

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吉田 克彦

回答者:吉田克彦(公認心理師・精神保健福祉士)

スクールカウンセリング歴20年超、小学校・中学校・高校(全日制・定時制・通信制)でのスクールカウンセラーとしての活動経験あり。現在は合同会社ぜんと代表
主な書籍:小学校スクールカウンセリング入門(2008年 金子書房)教師のためのブリーフセラピー(アルテ)など
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